中間と言い張るには些か遅いタイミングだけど、そこはご愛敬ということで。
評価
SSS:該当なし
SS :明日ちゃんのセーラー服、その着せ替え人形は恋をする
S+:平家物語
S:プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2、ハコヅメ~交番女子の逆襲~、リーマンズクラブ、異世界美少女受肉おじさんと、からかい上手の高木さん3
A:スローループ、時光代理人 -LINK CLICK-、王様ランキング、錆喰いビスコ
B:CUE!、東京24区
SS
・明日ちゃんのセーラー服
アニオリの補完が素晴らしすぎる。7話はほぼ全編アニオリ、8話は龍守さんに勉強を教えてもらうように頼む下りが丸々原作にはなくて、Cパートも完全にアニオリ。作品の雰囲気を壊すことなく、元のストーリーを崩すことなく、これだけのアニオリ要素を差し挟めるってのは本当にスタッフの力量が凄い、原作の理解度が凄い。しかも原作ではまだ担当回がないキャラクターまで、アニオリによって掘り下げていると。
漫画のままでは1クールでクラスメイト全員紹介できない、じゃあエピソードを追加して全員きっちり紹介しよう、なんて思いついても普通は上手く出来なくて不評を買うだけなんですよ。それが原作ファンから称賛の声しか上がらないくらいに違和感なくアニオリを追加できている作品なんてなかなか見れたもんじゃない。本当に良いアニメ化が為されていると思う。勿論映像面の出来も含めて。
あとCloverWorksの福島班ってマジでなんなんですかね…こんなに出来の良い映像作っておいて1クールのど真ん中で一人作画監督回とかやります?普通。どんだけ余裕のある制作体制組んでんだ。ワンエグみたいに現場が戦場になっているような空気感がまるで出ないから恐ろしい。FGOもそうだったけど。
と思ったら9話で作画監督5人の回が来たので安心している。たまには作画控えめの回を作ってもらって、その分また終盤に良いもの見せてもらいましょう。
・その着せ替え人形は恋をする
電車の中で五条くんが”奇麗”って言うシーン、トンネルに入って車輪のカットを挟んで、その後で喜多川さんの反応を映す、っていう演出がアニメで追加されたところだってのを聞いて、やっぱり出来の良いアニメだなぁと再確認した次第。こういう補完をさらりとやれるアニメは強い。
というか作ってるとこがワンエグ作った梅原班だから映像の出来も演出の出来も素晴らしいのは分かりきっていたことでもある。良い原作をアニメ化するならこれ以上素晴らしいところはそうそうないでしょう。それこそ京アニとか、ボンズとか、WITとか、MAPPAの瀬下班とか、そのくらいで。
構成としても、初コスプレから一段落ついた5話で喜多川さんに好きを自覚させて、五条くんとの関係性が丸っと反転、その後は二人の関係性が停滞気味になりそうだから新キャラ登場させて新鮮味を追加、っていう流れは凄く理にかなっている。あとは乾姉妹を上手く使っていって欲しいですね。正直残りの尺の中で、五条くんと喜多川さんの関係性がこれ以上劇的に発展していく感じはあまりしてないので(したら凄いけれど)。
S+
・平家物語
こういう題材なのにエンタメとしてそれなりに成立しているのが凄いと思う。やっぱり時代性に囚われすぎずに、現代的な価値観や喋り口調を柔軟に取り入れているのが大きいのかな。ただの歴史もの、ではなくて現代にそのまま共通するような教訓なり、考え方なりを含んだ物語として楽しめている感じはする。
物語中の出来事の描き方も良い。最低限の描写で世の中の変化、登場人物の心情の変化を端的に表現できている。原典はサブエピソードが乱立して登場人物が把握しづらいのだけど、今作はその辺り上手く料理して、ある程度キャラクターも把握しやすい範囲にとどめている感じはある。
それでもいまだに平家の人間の顔と名前を一致させることすら難しい自分…。
S
・プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2
最新話未視聴。
回によってめちゃくちゃ面白さにばらつきがある。面白い回は本当に面白くて作画も良いのに、悪い回はシンプルにつまらなくて作画も微妙になったりする。6話とか6話とか6話とか。とはいえ面白い回の方が大半なので評価は高め。
あと一つ気になるのが本筋の話が分かりづらいこと。この世界にリダイブする前の世界があって、そこで1回敗北を喫していて、そのためにユウキは記憶を失って赤ちゃんになっている、とかその程度は分かるのだけど、逆にそこまで分かっていても話についていけていない感覚がある。キャラクター一人一人の背景事情に対して提示される情報の量が圧倒的に足りていない。
今作は1期の頃から、ソシャゲ原作アニメの中でも本当によくやっている方だと思うけど、それでも未紹介キャラクターの消化を優先しながら話を進めようとすると、脚本の方にしわ寄せがきてしまうのは致し方なしか。4話という特大の作画回を見せてくれただけでも良しとしよう。
・ハコヅメ~交番女子の逆襲~
脚本と声優さんの演技に今作の良さが全部詰まってる。若山詩音さんの演技がマジで良い。今まで聴いてきた若山さんの演技の中で一番嵌ってる。脚本はコメディチックな部分と、リアルに根差した真面目な話との緩急が素晴らしい。
作画は必要最低限だけど、逆にあれ以上作画が良くても何にもならないような気はするのでまあいいのでは。そもそもドラマの評判が凄く良いくらいにはドラマ向きの中身なのに、アニメがここまで面白いのは相当凄いと思う。
・リーマンズクラブ
よくあるスポーツものではあるが、バドミントン要素とサラリーマン要素を高いレベルできっちり描き分けられているのが素晴らしい。はねバド!の経験もあってか、バドミントン作画も上々で、まじろさんのキャラクターデザインも変な癖がなくて男性目線にも見やすい。おすすめです。
1週遅れで見てる。
神宮寺と橘のやり取りがツボ。ことあるごとに惚れる下りがいつまでも面白い。評価どうこうというより普通にツボ。作画も低予算なりにきっちり見るに堪えるだけのものを出せているので良いんじゃないかと。ギャグアニメはこの程度でも十分。
3期までくると、高木さんが西方への好きの気持ちをあまり隠さなくなってきてるし、西方は西方で完全に高木さんのことを完全に恋愛対象として意識してるしで、ただただ二人の様子を眺めてニヤニヤするだけの作品になってる。良くも悪くも安定。高木さんが攻める側なのはいい加減飽き飽きしていないでもないけど、それでも最近は攻めながらちょっと赤面しているような場面が増えた気がして、それが良い。時々西方が攻める側になった時の破壊力も1期の頃から変わらなくて、良い。
あとすごく今更だけど、今作、悠木碧と内山昂輝のカップルなんていたんですね。なんちゅう贅沢な。
A
・スローループ
きらら4コマアニメにしてはキャラクターが弱い。キャラクターが弱いからギャグのキレもなくて、ただ可愛くて魚料理と釣りに関する雑学があるだけのアニメになってしまっている。虚無に近い。
これは持論だけど、きらら4コマ作品は、ごちうさとかおちフルみたいに、登場人物全員ヤバい奴で良いと思う。常識人の会話を面白くするには、それこそしっかりとしたお笑いの技術が必要なわけで、ならキャラクター性で笑わせに行った方が手っ取り早くて確実なのは自明。
恋アスなんかは今作同様キャラクターが弱いという難点を抱えながら、青春もの方向に舵を切ることで既存のきららアニメとはまた違った良さを出せた作品だと思うのだけど、今作に関しては本当にステレオタイプなきららアニメなので、余計にキャラの弱さが目立ってしまっている感じがある。
結論、もっと頭のおかしい奴を出せ。
・時光代理人 -LINK CLICK-
一番最初の話と、最新8話のエピソードはよく出来ていたと思う。
ただ地震のエピソードでトキがいちいち過去改変しようとするのがダメだった。あれだけ忠告されておいてなおもあんなに自発的に過去を改変しようとするか?普通。いくら当人の感情を共有しているからってあんな積極的に過去改変しようとしたらさすがにダメでしょ。やってることの重大さに対して行動が軽率すぎる。
その辺りで受けたマイナスイメージが尾を引いてこの評価に。結局は許容範囲と好みの問題なのだけれど。
・王様ランキング
2クール目に入ってからずっと同じことやってる。オウケンといつまで戦ってるんだって話よ。けが人を治す下りも何回やったか覚えちゃいないくらい。1クール目は話の中身、テンポ感、ともに文句のつけようのない素晴らしい出来だったのに…どうしてこうなった。
とりあえず話が一向に進んでいる感じがしないのはどうにかして欲しいと思う。1クール目は話の舞台がどんどん移り変わっていったのに、2クール目に入ってからずっと王都での話しかしてないし、王様ランキングってタイトルに近づいて行っている感じもしない。いい加減、話の雰囲気がガラッと変わるような展開が欲しいところ。
せめてもの救いは作画が相変わらず素晴らしいことですかね。ここに関しては戦闘シーンが増えた恩恵を物凄く受けていて、良質な戦闘作画がバンバン提供されているのは作画好きとしては嬉しいところ。
・錆喰いビスコ
最新話未視聴。
悪くはないんだよ…悪くはない。ただ世界観以外に良さが見当たらない。メイン二人のやり取りも関係性も普通の域を出ないし、作画も省エネ気味で、戦闘シーンはコンテが悪いのか何をやっているのかいまいち把握しづらい。周りの反応を見ていて不評が目立つのもよく分かる、分かってしまう。ただ、そこらのクソみたいなアニメと比べれば十分見れる出来ではあると思うんだけどなぁ…。
あと最近今作のEDに嵌ってます(どうでもいい)
B
・CUE!
声優組とフリーター組の格差が酷い。片や中の人はDIALOGUE+のメンバーで、アニメの中でも声優業とアイドル声優業をやれている。片や中の人はDIALOGUE+に入れず、アニメでは自主ラジオをやってる声優見習いととただの無職。なんだこの格差。しかもアニメの担当回の出来も後者の方が数段落ちるってのがまた…。
一応声優アニメとして見るなら結構出来は良くて、最新話のテンプレ演技を自分から壊してNG貰って、成長に繋げる流れとか凄く良かったと思うのだけど、いかんせん声優業やってない回の脚本があんまりなのでこの位置に。
・東京24区
1話からして状況設定ガバガバ、キャラ数多すぎで随分な地雷臭を漂わせていたけど、ここ数話でさらによく分からない作品になった感がある。
そもそも色々なことを描きすぎて要素が渋滞を起こしている今作において、唯一1話から存続し続けていた要素が、未来を選択せよ、の下り。それが8話で、実はただのシステムが見ている悪夢でした、ついでにその選択を迫っているように見えていたカルネアデスも身内の存在で、システムの不具合だと悟られないためにやっていただけでした、って処理されたのはさすがに納得いかない。
1話からずっとやり続けていて、専用のバンクまで用意されているんだから、未来の選択を迫る下りはそれこそ最終話まで引っ張られるような、今作の中核になってもおかしくないような要素でしょう。それが悪夢だとかバグだとか、その程度の軽さで処理されるのは作品の構成としてアンバランスすぎる。裏に悪い奴の存在すらないのかよと。
あとカルネアデスの話題が一段落したことで、漸く話の本筋が新システムに対する投票だと分かったんだけど、もし本当にそれが今作の描きたいことなのだとしたら、あまりにもしょぼい、しょぼすぎる。散々色々な要素を詰め込んでおいて、結局やってることはただの政治投票っていう。それならもっと削ぎ落せる要素あったでしょうに。
そもそも落雷程度で壊れるクレーンってなんだよ…あんな高いところに置いておいて落雷一つでぶっ壊れるクレーンがあってたまるか。状況設定を考えた時点で誰かおかしいと思ってくれ。おかげで屋上での出来事全部ギャグとして消化する嵌めになったわ。
とまあそこら中にツッコミポイントがあって、もうほんと色々と残念なアニメだなぁという感想でございます。
1話が先行上映の段階で完成していなかったり、総集編を挟んだと思ったら作画が明らかにパワーダウンしていたりと、制作体制も相当ヤバそうな雰囲気を漂わせているけど、それ以前に企画段階からして色々と直すべきところがいっぱいあったでしょう、確実に。
まとめ
"CloverWorks hour" is fantastic!!!
なんかそれ以外に言うことない気がする。本当に土夜の1時間が至福。