2023年夏秋クールに放送したTVアニメから良かった作画を10個選出。それ以外の縛りはなし。
- 1.『トニカクカワイイ 女子高編』1話より 原画:西島翔平
- 2.『呪術廻戦 懐玉・玉折』27話より 原画:加藤滉介
- 3.『ONE PIECE』1074話より 原画:ホネほね、Chansard Vincent 他
- 4.『呪術廻戦 渋谷事変』37話より 原画:中冶無(0:00 - 0:14)
- 5.『呪術廻戦 渋谷事変』38話より 原画:rui
- 6.『葬送のフリーレン』9話より 原画:??
- 7.『葬送のフリーレン』9話より 原画:藤本航己
- 8.『葬送のフリーレン』9話より 原画:吉田奏子
- 9.『呪術廻戦 渋谷事変』40話より 原画:温泉中也
- 10.『呪術廻戦 渋谷事変』40話より 原画:宮崎創
1.『トニカクカワイイ 女子高編』1話より 原画:西島翔平
弾力感のある芝居付けに目を惹かれた。14秒付近のデフォルメ作画に、アニメーションの良さを再確認させられる。
2.『呪術廻戦 懐玉・玉折』27話より 原画:加藤滉介
加藤さんらしい金田系アクションだが、その中にも流れるような疾走感がある。目にも止まらぬ速さを縦横無尽の残像で表現。タメツメの極端に効いた動きと粗っぽいエフェクトによって、荒々しい迫力のあるアクションが作り出される。
巧みなカメラワークやデフォルメ、背景動画によって甚爾の異次元の身体能力が際立っている。
巧みなカメラワークやデフォルメ、背景動画によって甚爾の異次元の身体能力が際立っている。
3.『ONE PIECE』1074話より 原画:ホネほね、Chansard Vincent 他
全てが圧巻。特に0:37〜1:28の重次さん担当シーン、2:24〜2:58のChansard Vincentさん担当シーンは常軌を逸したクオリティで、TVアニメの域はとうに超えている。
ギア5の自由奔放な戦闘スタイルを豊富なアイデアと擢んでた表現力で、大スケールのアクションに落とし込んだ究極の戦闘作画。
ギア5の自由奔放な戦闘スタイルを豊富なアイデアと擢んでた表現力で、大スケールのアクションに落とし込んだ究極の戦闘作画。
4.『呪術廻戦 渋谷事変』37話より 原画:中冶無(0:00 - 0:14)
コンテ段階から綿密に計算されて作り込まれた37話。その中でも特に鮮烈なカッコよさを見せたのがこのシーン。
中冶無さんは今作が(おそらく)初原画だが、緻密でキャッチーなエフェクト作画は経験の浅さを感じさせない。スロー演出の連続でエフェクトの作り込みがより際立っているし、アクション全体にもメリハリがつくから理解しやすい画面に仕上がっている。
中冶無さんは今作が(おそらく)初原画だが、緻密でキャッチーなエフェクト作画は経験の浅さを感じさせない。スロー演出の連続でエフェクトの作り込みがより際立っているし、アクション全体にもメリハリがつくから理解しやすい画面に仕上がっている。
5.『呪術廻戦 渋谷事変』38話より 原画:rui
ユニークなデフォルメで一瞬の斬撃を効果的に表現。主観視点で臨場感も際立つ。1カットだけ特殊な作画が挟まることで緩急も生まれるし、視聴者の目線を引き付ける呼び水にもなる。
6.『葬送のフリーレン』9話より 原画:??
全体に上手いが、特にマントを羽織るカットの存在感は突出している。3コマと2コマを巧みに織り交ぜることで、リミテッドアニメーションならではのデフォルメされた心地よさを残しながらも、視聴者の目線には究極にリアルに映る芝居を実現。
アクションならいさ知らず、日常の1コマからここまで話題性のある作画が生まれるのも珍しい。
アクションならいさ知らず、日常の1コマからここまで話題性のある作画が生まれるのも珍しい。
7.『葬送のフリーレン』9話より 原画:藤本航己
年間でも指折りの戦闘作画。身体的に力を込めることなく無反動で放たれる魔法の撃ち合いが抜群にカッコいい。
物理法則を超越した撃ち合いの中、唯一リュグナーがフェルンの攻撃を弾く場面だけは身体に目一杯の力が込められていて、そのギャップがリュグナーの余裕の無さとフェルンの攻撃の激しさを物語っていて好き。
www.sakugabooru.com
8.『葬送のフリーレン』9話より 原画:吉田奏子
流れるようなアクションの中にも、体重移動が丁寧に描写されているから、重さと迫力が感じられる画面に仕上がっている。
斧を剣に持ち替えたときに腕が重みで少し下がる、動き出しは少し反動をつけてから、槍を投げるときはしっかり身体を捻って、ナイフを投げるときは外野を守る野球選手のようなフォームで。
ファンタジーの世界でも、肉弾戦を行うキャラクターの動きは現実の物理法則に沿わせるからこそ、台詞がなくともキャラクターの身体能力の高さや戦闘のやり取りが理解できるし、実感を持って没入できるアクションに仕上がる。
斧を剣に持ち替えたときに腕が重みで少し下がる、動き出しは少し反動をつけてから、槍を投げるときはしっかり身体を捻って、ナイフを投げるときは外野を守る野球選手のようなフォームで。
ファンタジーの世界でも、肉弾戦を行うキャラクターの動きは現実の物理法則に沿わせるからこそ、台詞がなくともキャラクターの身体能力の高さや戦闘のやり取りが理解できるし、実感を持って没入できるアクションに仕上がる。
9.『呪術廻戦 渋谷事変』40話より 原画:温泉中也
同じく土上いつきコンテ演出回であるモブサイコ2期11話を思い起こさせる市街戦。その場にあるものを巧みに利用した格闘戦は、映像としてのダイナミックな見ごたえがありながらも、位置関係の把握が容易で非常に理解しやすいアクションに仕上がっている。
カメラに対して奥行方向の難しい動きも、さらりと描きこなされているのは温泉さんの上手さあってこそか。
カメラに対して奥行方向の難しい動きも、さらりと描きこなされているのは温泉さんの上手さあってこそか。
10.『呪術廻戦 渋谷事変』40話より 原画:宮崎創
スケールの大きいアクションで、お互いのキャラの行動や位置関係がこれほど分かりやすいものも珍しい。
温度計や衣服、ビル群など、街の構造物を巧みに利用した戦闘描写が面白いし、アニメーションとしての完成度も卓越していて意図されていない粗さがない。ただ作画としてすごいという以上のアイデアの豊富さと、それを実現する演出力の高さが感じ取れる至高のシークエンス。
温度計や衣服、ビル群など、街の構造物を巧みに利用した戦闘描写が面白いし、アニメーションとしての完成度も卓越していて意図されていない粗さがない。ただ作画としてすごいという以上のアイデアの豊富さと、それを実現する演出力の高さが感じ取れる至高のシークエンス。
以下選外
『無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~』4話より 原画:羽鳥孝信、作監:山﨑匠馬
『無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~』4話より 原画:邱家和
『呪術廻戦 懐玉・玉折』OPより 原画:飯田遥(?)
『葬送のフリーレン』3話より 原画:松村佳子、のんの、葉瀚文、岩澤亨
『葬送のフリーレン』4話より 原画:久貝典史
『薬屋のひとりごと』4話より 原画:??
『呪術廻戦 渋谷事変』37話より 原画:??(ノンクレジット)
『盾の勇者の成り上がり Season3』9話より 原画:八雲Crack