2023年秋アニメの中から、作画に期待できそうな作品を抜粋して紹介します。
- 内容については考慮しない(作画だけで判断)。
- TVアニメのみが対象。1クールに満たない作品(『進撃の巨人 The Final Season 完結編』など)、配信のみの作品などは基本除外。
- スタッフクレジットは作画とデザインに関わるもの以外省略(美術・撮影・音響などは別途公式サイトなど参照を)
S
葬送のフリーレン
監督:斎藤圭一郎
キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子
魔物デザイン:原科大樹
アクションディレクター:岩澤亨
デザインワークス:簑島綾香、山﨑絵美、とだま。、長坂慶太、亀澤蘭、松村佳子、高瀬丸
アニメーション制作:マッドハウス
- 『ワンパンマン』、『ACCA13区監察課』、『Sonny Boy』、『takt op.destiny』などを手掛けたマッドハウス福士裕一郎プロデューサーのライン(以下福士班)の最新作。監督は福士班での演出経験多数、直近ではCloverWorks制作の『ぼっち・ざ・ろっく』において監督を務め、一躍知名度を高めた斎藤圭一郎氏。キャラクターデザインには『takt op.destiny』でキャラデザを務めるなど、やはり福士班に馴染みの深い長澤礼子氏が起用された。アクションディレクターの岩澤亨氏は『takt op.destiny』でもアクションディレクターを務めた他、Fateシリーズなどでもアクションシーン中心に活躍した経歴を持つ。原科大樹、長坂慶太、亀澤蘭、辻彩夏*1(敬称略)など福士班に馴染みの深いアニメーターが多数参加する一方、『リコリス・リコイル』第3話の百合メリーゴーラウンドのシーン*2を担当した簑島綾香氏や、京アニ出身で『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のキャラクターデザインを担当した高瀬丸*3氏など、福士班作品への参加歴の少ないアニメーターも参戦。実力と安定感を兼ね備えた盤石の布陣と言える。
実績十分のラインに、実績十分のスタッフが揃っており、PVの出来や先行上映の評判からしても秋アニメの覇権候補筆頭と言って差し支えないでしょう。間違いなく素晴らしいアニメーションが見られると、断言していい作品です。
元々福士班自体、繊細な日常芝居からど派手なアクションまで幅広くこなせるラインであり、そこに『ぼっち・ざ・ろっく』で経験を積んだ斎藤監督の演出力、分厚いスタッフ陣による作画力が合わさったこの作品に死角らしい死角は見当たりません。秋の大本命です。
New cut 🍀#フリーレン #frieren pic.twitter.com/kHkzhHxUXa
— Lizリズ (@Nakayasee) 2023年9月24日
アンデッドアンラック
監督:八瀬祐樹
キャラクターデザイン:守岡英行
総作画監督:石本峻一 徳田夢之助
UMAデザイン・キーアニメーター:三輪和宏
メインアニメーター:大梶博之、佐藤浩一
アニメーション制作:david production
- 『炎炎ノ消防隊』とほぼ同一の布陣だが、加えて『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズで主力スタッフとして活躍した石本峻一氏が参加しているところが面白い。八瀬祐樹監督はシャフト出身で、『魔法少女まどか☆マギカ』3話、10話で演出を務めるなどの実績あり。守岡英行氏も同じくシャフト出身で、『さよなら絶望先生』、『傷物語』などのキャラクターデザインを務めた。キーアニメーターの三輪和宏氏は言わずと知れたスーパーアニメーター。近年は『鬼滅の刃』シリーズの原画で知られる。
圧巻のクオリティのPVが期待を煽ります。特にキーアニメーターの三輪和宏氏は実績実力十分なアニメーターであり、彼の仕事が多数見られるであろう今作への期待感は自然と高まるというものでしょう。
「『サクラ革命 ~華咲く乙女たち~ 』スペシャルアニメ」にて三輪氏の担当したシーン
『炎炎ノ消防隊』は演出面にウィークポイントがあり、いまいち評価の伸び切らない作品となってしまったため、今作でもそこは少々懸念点。とはいえ作画に関しては疑いようもなくトップクラス、それこそフリーレンと並べても何ら引けを取らないクオリティであり、作画アニメとしての期待感は来期随一です。
以上2作が来期トップクラス。以下次点。
A
オーバーテイク!
監督:あおきえい
キャラクター原案:志村貴子
キャラクターデザイン:松本昌子
アニメーション制作:TROYCA
あおきえい監督の送り出すオリジナルアニメというだけで演出面には期待できそうですが、先行上映の1話を軽く見た限り、作画にも相当凝っているように思います。特に表情や手の動きを始めとした日常芝居の密度には目を見張るものがありました。密かに期待している作品の一つ。
薬屋のひとりごと
キャラクター原案:しのとうこ
監督・シリーズ構成:長沼範裕
副監督:筆坂明規
キャラクターデザイン:中谷友紀子
アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM
監督の長沼範裕氏は過去に『魔法使いの嫁』1期を監督された経験あり。この手の質感を重視するアニメはお手の物でしょう。派手な動きはなくとも、1つ1つの絵が美しく、破綻がなく、質の高さを存分に感じさせてくれそうな作品です。
B
シャングリラ・フロンティア
監督:窪岡俊之
副監督:池下博紀
キャラクターデザイン・総作画監督:倉島亜由美
モンスターデザイン:長森佳容 大河広行 河野絵美 有澤寛
プロップデザイン:横山友紀 河野絵美
アクション・エフェクトディレクター:酒井智史
メインアニメーター:芳賀亮 月田文律 西野武志 姚江浩 新田駿也
アクション作画監督:日浦玲奈 星野玲香
総動画監修:髙橋知也
アニメーション制作:C2C
お金と時間をかけて作っている作品には違いないでしょう。とはいえC2C作品は安定感こそ高いものの作画で突き抜けた存在感を示したことはなく、今作も化け物級に上手い人を集めるというよりは、むしろ純粋な人海戦術頼みの部分が大きそうなのは気になるところ。現状作オタ目線で目立った実績があるのは、せいぜいアクション・エフェクトディレクターの酒井智史氏くらいでしょうか。
それでもベテランアニメーターや社内スタッフを軸に固められた面子に安心感があるのは間違いなく、安定したクオリティには期待できるでしょう。
SHY
原作:実樹ぶきみ(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
監督:安藤正臣
助監督:谷口工作
メインキャラクターデザイン:田中雄一
キャラクターデザイン・総作画監督:髙井里沙 末田晃大
アクションディレクター:諸貫哲朗
アニメーション制作:エイトビット
安藤正臣監督は長らくラルケ作品で監督を務めていましたが、比嘉勇二プロデューサーが会社を離れるのに伴って(?)ラルケを離脱。ラルケを出てから初の監督作である今作は、エイトビット制作と相成りました。キャラクターデザインは『とある』シリーズや『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズなどでお馴染みの田中雄一氏。総作画監督にCloverWorks作品に多く参加し、直近では『明日ちゃんのセーラー服』で原画・作監等で活躍した末田晃大氏がいるのも目を引きます。めちゃくちゃ動く作品かと言えば怪しいですが、アクション・日常芝居・ギャグ作画など、あらゆる場面においてそつなく高いクオリティに期待できそうな作品です。
ウマ娘 プリティーダービー Season 3
監督:及川啓
キャラクターデザイン・総作画監督:椛島洋介
キャラクターデザイン:辻智子
総作画監督:仁井学 福田佳太 藤本さとる
キャラクターデザイン監修:清永みなみ
メインアニメーター:小畑賢 式地幸喜 中島順
アニメーション制作:スタジオKAI
信頼と実績のウマ娘、信頼と実績のスタジオKAIです。スタッフ陣に大きな変化もなく、2期と同等か、それ以上のクオリティには間違いなく期待できるでしょう。
SPY×FAMILY Season2
監督:古橋一浩・原田孝宏
キャラクターデザイン・総作画監督:嶋田和晃
制作:WIT STUDIO×CloverWorks
安定志向の作品で作画アニメとして期待するほどではないかもしれませんが、順当にクオリティは高いでしょう。CloverWorksは1期の頃から今作に本腰は入れていない様子で、一方WIT STUDIO回では度々素晴らしいアクションが見られました。2期はどうなるでしょうか。
アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】
監督:渡邉祐記
副監督:西川将貴
副監督:道解慎太郎
アニメキャラクターデザイン:高藤彩
プロップデザイン:若山温
アニメーションプロデューサー:畑岳央
アニメーション制作:Yostar Pictures
1期の評判はふるいませんでしたが、アニメーションのクオリティに関しては間違いのないものがあります。1期同様、劇場版かと見紛うばかりの質の高いアニメーションが展開されるでしょう。
その他
『盾の勇者の成り上がり Season3』OP
本編が始まる前にOPクレジットが発表されるという異例の事態に見合ったとんでもクレジット。yamaが呪術廻戦ではなく盾の勇者に召喚されていたという事実は作画オタクを驚かせました。アニサマで流れたOP映像には絶賛の嵐、yamaらしさ全開のOPだったとの証言もあり。これは期待していいでしょう。
おまけ
葬送のフリーレンの参加スタッフ予想
・けろりら
ぼざろの縁でまず間違いなくどこかにはいる。
・刈谷暢秀
・瀬尾健
ぼざろ出張組。
・久貝典史
・もりともこ
・小田剛生
・佐藤利幸
福士班作品常連組。
・森匡三
『Sonny Boy』8話の縁でワンチャン。
最後に作画関係なく、この記事で触れていない作品の中から個人的な期待作を。
・星屑テレパス
きらら枠×かおり監督の安定感。日常系好きとしては見逃せない。
・ひきこまり吸血姫の悶々
百合。No.9にしては作画が良い。
先行上映の評判も良いし、大体面白いでしょうと期待を込めて。
*1:
『葬送のフリーレン』
— 『葬送のフリーレン』アニメ公式 (@Anime_Frieren) 2023年9月25日
放送開始まで あと4️⃣日🪄
初回放送に向けた
カウントダウンイラスト公開!
今日はアニメスタッフの
辻彩夏さんによる #ヒンメル!
9/29よる9時
【金曜ロードショー】にて
初回2時間スペシャル放送🪄
以降10/6より日本テレビ系
毎週金曜よる11時放送🪄#フリーレン #frieren pic.twitter.com/XDijhUpz3r
*2:
https://www.sakugabooru.com/post/show/197911
*3:高瀬亜貴子