2022年春アニメ 中間評価

大体6話か7話までの評価。一部5話まで。

 

評価

SSS:(該当なし)

SS :まちカドまぞく 2丁目 ダンス・ダンス・ダンスール  

S+:パリピ孔明 サマータイムレンダ かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック- SPY×FAMILY ヒーラー・ガール 

S:BIRDIE WING -Golf Girls' Story- ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第2期 恋は世界征服のあとで くノ一ツバキの胸の内 であいもん  

A:古見さんは、コミュ症です。 2期 じゃんたま PONG☆ おにぱん!

B:CUE! RPG不動産 エスタブライフ グレイトエスケープ 

C:(該当なし)

 

 

SS

まちカドまぞく 2丁目

 6話で泣いた。原作3巻範囲がめちゃくちゃ評判良いのは1期が放送している頃から知っていたし、ハードルも最大限に上げて見たのだけど、それでも泣いた。シャミ子目線でこの物語見てると桃が笑顔になった瞬間にもう反射的に泣けてくるのですよね…今まで積み重ねてきたものがじわじわと効いてきて…はぁ尊い

 にしても”きらら4コマ漫画”でここまで面白い物語を紡げるっていうのは本当に凄いなと。そもそも4コマ漫画って普通の漫画と比べた時に、コマの大きさや配置が固定化されているから視覚的なメリハリをつけづらい上に、4コマに1回必ずオチをつけなきゃいけないっていう厳しい制限があるわけですよ。だから4コマ漫画の大半は全体のストーリーとかほとんどないようなギャグ寄りの軽い内容に終始するわけで。

 ただ今作はその制限を忠実に守りながらも、ちゃんと設定を作り込んで、伏線もしっかり仕込みながら、4コマの積み重ねによって起承転結の整った感動的な物語を紡いでいっているわけで、本当にレベルの高いことをやっているなと。4コマ漫画でこんな綿密に設定を練って、完成度の高いシナリオを完成させた作品って多分他にないんじゃないかと。そういう意味でも今までのきららアニメとは一線を画すというか、革新的な作品だと思うのです。

 アニメとしての出来に目を向けても、効果音を声優さんの声で補うことによって生まれる独特の味であったり、台詞回しのテンポの良さだったり、変身シーンをバンクとして追加したりと、原作の良さを殺さないだけでなく、さらにプラスの要素を上乗せするなどアニメとして面白く見せるための工夫がちゃんと為されていて、改めて恵まれたアニメ化がされているなと。原作の面白さとアニメチームの手腕が完璧に噛み合った結果、確かな傑作が生みだされているというか…本当に良いもの見せてもらってます。

 

ダンス・ダンス・ダンスール

 6話まで視聴。本っっっ当に出来がいい。まずもって潤平が主人公として非常に魅力的なのが大きい。技術的にはまだまだ未熟で課題だらけ、だけど溢れ出んとするばかりの才能と人一倍のバレエに対する情熱と向上心がある…っていう今後の成長へのワクワク感を存分に持たせるTHE主人公なキャラ造形が素晴らしい。しかもそのバックグラウンドとしてバレエを始めるまでの葛藤、始めるにあたっての覚悟を3話かけて描いている盤石さ。これだけ丁寧にキャラクターを掘り下げたらそりゃいい物語作れますよ。

 それとライバルの流鶯が色々な部分で潤平と対比するポジションに置かれていて、これがまた物語を分かりやすく、そして面白くしている。魅力的な主人公と、正反対のライバル、この二人をストレートに配置できているところに今作の面白さが詰まっていると言ってもいい。

 その上でさらにバレエの作画、演出が素晴らしいから隙が無い。バレエの動きの描写は丁寧で、技術的な話にも説得力を持たせられる。バレエ演出にはシャフトから大谷肇さんを招集、バレエの芸術性と迫力を見事に表現している。特に大谷さんが絵コンテ・演出を手掛けられた5話は珠玉の出来。

 ただ惜しむらくはディズニープラス独占配信だということ。放送前の知名度がそこまで高かったわけでもなくて後追いの需要はそれなりにあるはずなのに、独占配信のせいで気軽に後追いしてもらえないのがあまりに痛い。確実に良いアニメは作れているのに、見る人の絶対数が増えていかないから話題にならない悲しさ。視聴者目線からしても、他の人におすすめしようと思っても、今作のためだけにわざわざディズニープラスに入ってくださいとは言えないから、どうしてもトーンダウンしてしまうっていうもどかしさ。ほーんと、何とかならなかったですかね…この配信体制。

 

S +

パリピ孔明

 4話5話と連続溜め回、6話も出来は良いけど所詮サブキャラの掘り下げ回、といまいち乗り切れないエピソードが続いた中、本筋の話に戻ってきた7話は流石の面白さだった。今後の方針と今の英子の課題を、1話でバーンと示してきたのが見事でしたね。サブキャラの掘り下げ回をやってる間に曖昧になった縦軸のストーリーを、次のエピソードの頭ですぐ明確にできる辺りは原作の構成が上手い。

 それと歌やラップをしっかり丁寧に作れているのも良いですね。英子の歌唱力やKABEのラップスキルに、ちゃんと説得力を持たせられている、見せ場が見せ場としてちゃんと機能してるのが素晴らしい。

 にしてもPAがヒット作を作るのは本当に久々な気がする。売れない作品を作り続けているうちにいつの間にか社員数も随分減らしたようで、今作も実質DR MOVIEと共作みたいな作り方に。結果として作画クオリティがそこまで落ちるとかいうことにはなっていないから良いけれど、ここ最近、全盛期の頃のPA作画が見られなくなってきているのは何だか寂しい感じもする。

 

サマータイムレンダ

 5話まで視聴。シンプルに面白い。タイムリープものとして、主人公が有能で展開がサクサク前進していくってのが大きなアドバンテージになってる。緊張感も怖さもしっかりある上で、主人公に起因するストレスがないってのは大きい。

 脚本に目を向けても、バッドエンドを提示した後で、リープには実質的な回数制限があるからちゃんと考えないと取り返しのつかないことになりますよ、って提示している辺りは上手い。普通のタイムリープものって大抵無限にやり直し利きますからね。そこに時間基準の回数制限を加えることで、だらだらループを繰り返すことを防いで、緊迫感を保ち続けられるようにしてるのはよく考えられてるなと。

 原作の巻数的に後半は速足の進行になるらしいけど、5話までで基本的な部分は描けていて、あとはバッドエンドをどう回避するかって視点でリープを繰り返すだけだろうから、おそらく適宜省略も利くでしょう。そうであれば連続2クール、しっかり楽しみ切れそうかなぁという現状の印象ではございます。

 

かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-

 6話まで。安定。3期になっても変わらぬ面白さ。ここまで来てまだかぐやと会長の間の頭脳戦(ポンコツヘタレがあと一歩を踏み出せないだけのやり取り)で笑いが取れるって凄いですからね。1期からずっと同じことやってて関係性は何も進展してないのに、未だにゲラゲラ笑えるってどんだけ上手く作ってんだよと。キャラの配置とネタの引き出しの多さには本当に舌を巻くばかり。

 あとは2期6話みたいなシリアス寄りの回をどこかでバシッと決めてくれれば文句なし。原作勢曰く、3期は原作だと一つのこの作品の区切りとなるような部分らしいので、最終回付近に上質のシリアスを入れてきっちり締めてくれることに期待したいところ。

 

SPY×FAMILY

 6話まで。THE堅実。原作からして面白い作品をまともな出来でアニメ化すればそりゃ面白いよねって話。序盤は制作会社のネームバリューの割には画が地味な印象もあったけど、4話ではCloverWorksが長井龍雪さんを投入してきたり、5話はWITが映画バブルのスタッフを投入してハイレベルな作画回に仕上げてくれていたりと、映像面からも楽しめる回が増えてきたのは良い感じ。

 内容は語るまでもなく。長期作品を目指している影響でアニオリ多め、引き延ばし多めなのは少し気になるけれど、今のところ大きな違和感を感じることはなく、面白さも大きく落とすことなく進められているので全然いいんじゃないでしょうか。

 

ヒーラー・ガール

 7話まで視聴。現実世界の医療行為と、ファンタジーでしかない音声医療を同じ世界観の中に同居させていること、ミュージカルを特別なシークエンスとしてではなく、日常会話の一部として取り入れていること、4話連続一人原画回…などなど、”日本のTVアニメが今までやってこなかったことに数多くチャレンジしている”という点だけでも評価に値する作品だと思う。それでしっかり面白いものが出てきているのだからなおさらのこと。

 エンタメとして見るにあたっては、会話のテンポの良さがとにかく大きい。間の取り方もボケツッコミの精度も良くて、会話でしっかり笑いが取れる作りになってる。なんてことない日常回がちゃんと面白いのも、会話を上手く作れているからこそ。掛け合いの中でどんどん物語が進んでいく感じはよりもいとかラブライブとか、良い時の花田先生の脚本にも似たものがあるなと。

 惜しいのはキャラの描写の甘さくらいか。キャラの内面に関して伏線を張ることを殆どしていないから、よりもいで言えば11話とか12話とか、そういう爆発力のある回には期待できなさそうな作品ではある。ということで今の評価を最後まで維持できれば万々歳ですかね。楽しくて挑戦的な回を今後も積み重ねていって欲しいところ。どうか終盤、ド派手なやらかしだけはしませんように。

 

S

BIRDIE WING -Golf Girls' Story-

 7話まで視聴。1話見た時はなんじゃこの古臭いB級作品は…と思ったものだけど、2話で葵が出てきてからは、一転して良質なスポーツものへと変貌。ゴルフ(のような何か)を通じた葵とのライバル関係と、その先に見える百合めいた感情の描きにあっさり心を掴まれてしまった。ゴルフボールで木の枝をへし折るとか、ゴルフ対決を通じて相手の精神を破壊するとか、7話の引きとか、随所に(いい意味での)おバカアニメっぷりが見られて毎回笑わされているのだけど、一方でキャラクターの内面の描きや関係性の積み上げは意外としっかりしていて、ただのB級作品だと侮れないのが憎らしいところ。

 6話で住まわせてもらってる家の土地の権利を取り返す対決に向かうにあたって、イブの過去とかつて受けた恩をしっかり描写して、感情移入しやすくしていた辺りとか普通に脚本として上手いですからね。度々お互いを意識させることで葵との間の感情の矢印も大きく育てられているし、先の展開に向けた伏線もちゃんと張れている。冗談でもなく本当によく出来た作品だと思います。

 

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第2期

 7話まで。回ごとに印象が違って纏まらないので一旦各話の感想を書いて後で総括する方針に。

↓各話感想(長いので省略)

*1

 こうして整理してみると、ユニットを描いたエピソードは全体的に出来が不十分か、おまけ程度の話にしかなってなくて、対照的に個人を掘り下げる回は1期同様よく出来ているという印象。やっぱり1話につき一人のキャラを掘り下げる方がこの作品にはあってるんじゃないかと思ってしまう。

 結局”個”としての活動とユニット活動の棲み分けが出来ていないのですよね。ユニットを組むことによって新たに出来ること、生み出せるものってのを具体的に描けていない。そこが2期の決定的な弱点であり、説得力を欠いてきた部分なんじゃないかと。逆に言えば1期同様個々のキャラを掘り下げる回はよく出来ているわけで…ユニット回を一通り消化し終えたこれからの巻き返しにはまだまだ期待したいところ。

 

恋は世界征服のあとで

 6話まで視聴。最初見た時は、こんな最初から付き合ってる系のラブコメとかどうせどっかで飽きてくるだろう…と思っていたけど、6話まで来た今でも全然飽きが来ないから驚いてる。たぶん今作はラブコメの”コメディ”の部分でしっかり勝負できているんだろうなと。付き合うまでの過程を描いた作品…例えば五等分の花嫁とか、ああいうのならラブコメの”ラブ”の部分でしっかり魅せる必要があるだろうけど、最初から付き合ってる今作は、むしろコメディ部分で魅せることに比重を置いていて、それが上手く嵌っている感じはする。

 まずもってキャラ造形が良いですもんね。筋肉バカで真っすぐな不動と、パワー系乙女なデス美さん。二人とも明らかに普通からズレているから、ただデートしているだけでも、そのズレっぷりでちゃんと笑いが取れる。恋愛に対してうぶすぎるから、アーンとか手をつなぐとか、その程度のことですら見せ場になってくれる。このメイン2人に、さらにサブキャラを絡ませていったり、元々は敵対している二人が秘密の交際をしているっていう状況設定を上手く使ったりすれば、そりゃなかなかコメディとしてネタ切れはしないよなぁと。作画も安定してるし撮影も良いし、ほんと見ていて楽しい作品。

 

くノ一ツバキの胸の内

 6話まで。アニメーションとしての出来の良さ、っていう部分だけを見てもA以上の評価は固い。日常芝居、アクション、どの方向に振ってもそつなくクオリティの高い作画は、さすがのCloverWorksと言うべきか。1エピソード1班のペースで十分キャラ立ちするくらいに個性の強いキャラばかりなので、キャラ数の多さもさほど気にならないし、内容に関しても、あかね組の中だけで完結している話…つまり戌班と他の班の交流を描いた話は、キャラの個性と可愛さで押し切る日常系じみた良さがあってとても楽しめてる。

 一つ問題点を挙げるとするなら男絡みの話が全体的に低調なところ。組内での女子同士のワチャワチャコメディが安定して面白いからこそ、男を馬鹿にしたり、男のことを考えて頬を染めるツバキの様子を描いたりする必要性をあまり感じない。男の存在を仄めかすことによって面白さが増している感じがしない。

 別に頬を染めるって百合でも出来ますからね。恋愛って女同士でも描けますからね。そういう意味で直接登場しもしない、ストーリーを作るにあたって大して上手く利用できているわけでもない男の存在をわざわざ仄めかす必要があったのか、と思ったりはしてる。

 

であいもん

 序盤個人的に印象が微妙だったのだけど、それは多分トラブルの作り方と解決の仕方が好みじゃなかったからなんだろうなと。誤発注問題を歌って解決する流れが少しご都合気味に感じられてしまったり、個人情報管理がガバガバすぎて冷めてしまったり、バスに乗って寝て終点まで行ってしまうのは危なっかしすぎてちょっとなぁ…と思ってしまったり。気にしない人は全然気にしないだろうけど、自分はそういうところが引っ掛かって、物語を素直に楽しめていなかった感がある。

 逆に4話以降は随分と視聴感が良くなってきていて、特に5話の修羅場女子会なんかは大人の女2人に挟まれる一果の構図が凄く面白かったし、6話の母来訪の話も胸糞悪くならない程度に良い話として纏め上げられていて見やすかった。日常の些細なトラブルや悩みを和菓子を添えて解決する流れが理解できて、作品の楽しみ方も分かってきた気がする。作画力は一切必要ないタイプの作品で、アニメーションならではの魅力はなかなか見出しづらいけど、ここ数話で原作の良さを素直に楽しめるくらいの段階までは漸く来れた感じ。

 …って感想を6話見たあとに書いたのだけど7話見たらまーた合わなかった。今度はこんなクソみたいな母親いてたまるか、現実味がないんじゃ、って思ってしまってな…(以下延々愚痴ったけど長すぎるので割愛。読みたい人だけ読んでください)→*2

 …まあ現実のどこかにはこういう親がいるのかもしれないし、そもそもこんなところを気にしている人の方が少数派だとは思うけど…難しいところですね、ほんと。根本的に合わないのかなぁこの作品…。

 

A

古見さんは、コミュ症です。 2期

 19話まで。山井さんが出てくれば大体面白い。只野くんと古見さんが二人きりになると面白い。ほかは微妙…って感じ。この作品の特徴として、何かしらのイベントごとをやろうとなったときに今まで仲良くなったキャラたちを全員呼んでしまう傾向があって、その分絵的にも脚本的にも凄くゴチャゴチャしている感じはする。せっかく仲良くなったのに呼ばないのはおかしいじゃん、っていう理屈なんだとは思うんだけど、そうすると結局のところ古見さん大好きっ子が周りをうるさく固める系の話ばかりになってしまうわけで…まあさすがに飽きますよねと。

 1個思うのは古見さんがメインにならない話がもっと増えても良いんじゃないかなと。古見さんと絡まずとも、面白い話を作れそうなキャラクターはそれなりにいるわけで…例えばいつぞやの男子3人が妄想するパートとか、あれ普通に面白かったじゃないですか。ああいう変則的な話をもっとやってもいいんじゃないかなと。そもそも古見さん大好きポジションにはもう既に山井さんっていう超強力なキャラクターがいるわけだから、他のキャラは頑張って自分のニッチを開拓して欲しい、させてやって欲しいなと思ったり。

 

じゃんたま PONG☆

 6話まで。本気で面白いので見てください。ここ最近の短尺ショートアニメの中でも飛び抜けてよく出来てる。1分30秒の尺でここまで面白く出来るのは凄い。3話→4話の構成は天才の所業。

 

おにぱん!

 5話まで。良くも悪くも朝アニメだなぁという感想。毒気のなさにどうしても物足りなさを感じてしまうけれど、そもそも本来のターゲット層からはズレているのだから仕方ないと捉えるべきか。会話のテンポ感とかギャグセンスはさすがの太田監督という感じはする。

 

B

CUE!

 18話まで視聴。ちゃんと声優やれてる組が2つ、アイドルやれてる組が1つ、モーションキャプチャーで謎のWEBアニメの制作に関わっている班が1つ。…やっぱ改めて書き出しても最後のだけめちゃくちゃ怖い。謎のベンチャー企業の開発したモーションキャプチャー技術を用いて、中の人が適当にRPGゲームをプレイする様子を、3Dアニメとしてネット上で配信する、っていうどうあがいても成功する未来が見えないような企画に関わらされてるの普通に怖い。現実のアニメで言えば「てさぐれ!部活もの」みたいな感じなんだろうけど、あれは明確な設定があった上でアドリブコントしているから面白いわけで、こっちはただ本当に素のままゲームをプレイしているだけ、ってどこが面白いんだっていう…いやそこら辺に突っ込んだら終わりなんだけど。

 時々ちょっといい話もあるけれど、そもそもアニメーションパワーが圧倒的に足りていない作品なのと、時々マジで狂った回が来ては評価を下げていくので評価は低め。リステみたいに、基本狂ってて面白いけど締めるところは締めて王道のストーリーを紡いでいく、みたいな作り方が出来ればほんとは良かったんだろうけど…基本スタッフ同じなのになんでこっちはこんな有様になっちゃったかな…(まあ大体キャラ数がやたら多いのがいけないんだろうけど)。

 

RPG不動産

 7話まで視聴。スローループから可愛さと、百合としての魅力と、アニメとしての出来の良さを削ぎ落とした代わりに、エロさをマシマシにした作品…という印象。正直かなり視聴感は悪い。児童向け作品ばりの毒気のない内容と、等身低くて幼い印象のキャラデザで、なぜこんなに露骨にエロを推してしまったのか。

 この作品に限らずだけど、露骨にエロを推してくる作品って、結局作品自体に読み続けてもらえるだけの魅力がないからエロに頼っているだけなのでは?って思ってしまうのですよ。そうしたくなる気持ちは分からないでもないけど、そもそもきららアニメに限れば、結局商業的に成功しているものの大半が別段エロ推しというわけではなく、むしろゆるキャン△然りまちカドまぞく然り、エロはないか、もしくはあくまでも付随物くらいの方が受けは良いわけで。男性読者の目線を意識して、とってつけたようなサービスシーンを入れてしまう、入れざるを得ない、ってところに今作の実力のなさ、底の浅さが透けて見えているようにすら思えてしまう。

 …少し言いすぎたかもしれない。原作読者でもない癖に。でもこの作品がアニメ化にまで漕ぎつけられた理由がよく分かってないのもまた事実。キャラ造形、ギャグのキレ、話の中身、どれをとっても児童文学レベルの癖のなさで、およそ深夜アニメで放送するのに向いている作品ではないような。深夜アニメっぽいところとなるとそれこそエロくらいしかないけど…ならもう少し作画に気合を入れて欲しかった、等身高めのキャラデザにして欲しかったって話であって、結局微妙なのには変わりなく。

 一つターニングポイントになってくれそうなのは、ファー周りのお話。くどいくらいに前振っているけど、果たしてどう料理してくるのか。コメディとして見るにはあまりにも貧弱な作品なので、どうしてもシリアスに活路は求めたくなってしまうところ。あんま期待はしてないけど。

 

エスタブライフ グレイトエスケープ

 6話まで視聴。序盤も序盤、普通のアニメがこの作品はこういう方向性で行きますよ~こういうお話ですよ~って提示している真っ最中の2話で、「おっさんが魔法少女になりたいと言い出すエピソード」をぶち込んできたのを見て、これはクソアニメだ…と確信するに至った。制作側もまともに評価されようと思って作ってないでしょこれ。

 まあクソアニメと割り切れば、あまりにもしょうもなさすぎる中身とチープ極まりない百合感情の描写は妙に癖になるし、女子の可愛さと、そこはかとなく狂気を感じる会話でそれなりに楽しめなくもない作品ではある…のだけど、どうあがいてもアニメ作品として評価出来るものではないのでこの位置に。

 あと極々素直な感想なんだけど、これロボットと犬要るか…?女の子3人のお仕事ものとして売り出した方がよっぽど良かったと思うんだが。なんであんな不純物入れたんだよ…エクアが熱で倒れてた6話とか、その2人普通に邪魔でしかなかったが。

 

 

総括

上2つのまぞく、ダンスールがとにかく良く出来ていて、その下のパリピ、サマタイ、スパイ、かぐや様も引けを取らない面白さ。この6作品に加えてヒーラー・ガール、虹ヶ咲2期、くノ一ツバキといった女の子の可愛さを楽しめるアニメも充実していて本当に満足度の高いクール。ダークホース枠としてBIRDIE WINGまで出てきたし、層の厚さでいえば近年屈指。去年の冬とも結構いい勝負できるかもしれない。

 

 

*1:・1話

 ライブシーン◎。この1話だけでランジュを同好会のライバルポジションとしてキャラ立ちさせられているのが上手い。

・2話

 流れはいいけど、とてもじゃないけど同好会に入りたい気はなさそうだったランジュに対して、本音を隠しているんじゃないか、みたいな決めつけをしているところは気になった。元々そういう描写があるならいいけど、2話までの内容だとランジュはしっかり自分の考えで、本音で自己主張しているようにしか見えなかったので。”個”を大事にする同好会が自分たちの推測に基づいてランジュを同好会に引き込もうとするってのは、ランジュという”個”の考えを蔑ろにするような行動にも思えて引っ掛かりを覚えた。

・3話

 絶賛されてたけど、個人の意見としては割と微妙な回。ユニットを組む意義として、”新しい自分を見つけられる”、”新しい色が作れる”なんかが挙げられていたけど、具体的にどうやってそれをライブに昇華したのかを具体的に描写することなく、ライブに突入してしまっていたのがマイナスポイント。

 端的に言えばライブシーンを見てその”新しい色”とやらを感じてくれ、って脚本なんだろうけど、実際問題、具体的には説明しないけどライブを見てそれで全部理解してね、ってのは結構乱暴というか、本当にファン向けの作り方でしかないわけで。1期からそういう傾向がなかったわけではないけど、2期3話に関してはあまりにも説明しなさすぎというか、ライブシーンで全てを語ろうとしすぎていたのかなぁとは思う。せめてユニットとしてどういうライブを作っていくのか、っていう事前の打ち合わせ部分を描いてくれれば色々と分かりやすくなったかなと。

 あとNEO SKY, NEO MAP!はこんなところで使って欲しくなかった気持ちもある…どうせ出すなら最終回に持ってきません?多分アニメ虹ヶ咲の中で劇中歌として出すなら一番強い曲でしょ。もう少し温存してもらっても…とか思ったりはしていた。

・4話

 話の論理構成は3話よりしっかりしていたと思うけど、DD回として見るなら微妙。どちらかというと愛さんと愛さんのお姉さんのお話で、ユニットは完全におまけ扱い。ファン層に受けが悪いのも頷ける。ただ愛さん回だと割り切れればそんなに悪い回ではなかったとも思う。

・5話

 歩夢がストーカーする話。面白くてメッセージ性もある程度しっかりしていたけれど、これがユニット結成に繋がる回かと言えば微妙なところ。楽しいばかりで実質的な中身は殆どなかったような気もする。

・6話

 4話同様A・ZU・NAはオマケで、実質的にはせつ菜回。せつ菜の掘り下げを目的とした回として見れば凄く出来の良い回だった。一人で抱え込もうとするキャラに周りが手を差し伸べて事態が好転していく流れ…王道だけど良い。

・7話

 栞子回。現段階での2期のベストエピソード。姉に憧れた過去、姉の涙で諦めた夢、同好会を支える今。栞子のバックグラウンドを丁寧に描いていたからこそ、同好会と姉の後押しを受けて栞子の考えが変わる流れに説得力があった。栞子が一歩を踏み出したことの象徴としてライブシーンを位置づけられていたのも理想的。キャラの掘り下げの延長線上、物語の一部としてライブを組み込めていたのは多分1話以来では?

*2:例えばの話だけど、子供がどれだけ下手な絵を描いてきても親って褒めたくなるものでしょう、普通。子供が子供なりに一生懸命作ったものなら、親は本能的に肯定したくなるものでしょう。この母親そんなこと微塵もしてこなかったかのような描かれ方しておりますが。そんなことある?普通。愛がなさすぎるでしょ、子供に対して無関心すぎるでしょ、どうやってこの子を育ててきたんだ。まだ同じクズでもユーフォのあすか先輩の母親みたいにヒステリックになって暴力振るう親の方が、愛情がねじ曲がった結果そうなってんだなって理解できるよ。こいつはなんだ?愛情ないんか?血のつながった親である以上、こんな子供の気持ちに対して無関心で自己中心的にはならないでしょうよ。ドジを笑うにしたってその後に子供のフォローくらいはするでしょうよ。それすらせずに、子供の自己肯定感を蔑ろにしながら小学生になるまで育ててきたとかそんなことある?本能的な部分でまず無理でしょ、それは。本能的に植え付けられた子供への愛情を無視してるじゃん。子供に対する母親の本能的な守ってやらないとって感情が欠片もないじゃん。義理の母とか赤の他人ならともかく、血のつながった親の描きとしてこれは現実味がなさすぎる、親の描写として破綻しているようにしか思えない。